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2013.6.15 『ナナニヒストリー』 第二章



第一章からの続き....

....一旦バラしたまではいいのだが、あまりの部品点数の多さとヤレ具合に
レストアの作業はなかなか前に進まない。
これぞ『コツコツ作業』というのが数ヶ月に渡り続くことに....。
そんな中、とんでもないアクシデントが身に降りかかることになる。そのアクシデントとは....

私は一時期、『ワカメ中毒』という病にかかっていた。
ふとしたキッカケで近くの海でワカメを採ってからというもの、
その季節になると『旬の生ワカメ』を欠かさず食べなければ気が済まない、
という謎の『ワカメ中毒』を発症していた。そんなときの出来事である。

ある家族旅行の高速帰路中のこと。
「ワカメ食いてーっ!」その病は突如発症した。
「家に着いて採りに行ったらギリギリ間に合うかな!」
と、なんとしてもその日の晩酌のお供に『生ワカメ』を食べたくなった私は、
必要以上にアクセルを踏み込み帰宅を急ぐ。

陽も沈み始めた夕方、自宅に到着するやいなや
「ワカメ採りに行くぞ!」と旅行で疲れた身体もなんのその
無理矢理息子を連れて近くの海目指して再び車に乗り込む。

数分後、いつものスポットに到着。テトラポットに駆け上り海を見下ろした。
「け、結構満ちてるなぁ〜、汗」潮の満ち引きを無視して来たのは承知の上
私はそんなのお構い無しでテトラを駆け下りる。
「お前は危ないからそこで見てろ!」と、息子に言い残し
ヒザ上までズボンをまくり上げ、ワカメ目指していざ収穫モードへ!
「ダダダッ!ジャプン...」 潮が満ちていたため、モモまで海に浸かりワカメを採り始めた。
「なかなか採りずらいなぁ〜、汗」心配そうに見ていた息子が「大丈夫〜?」と言った次の瞬間。

「ズルッ!」「あっ!」「ドッボーンッ!!」

…気付けば胸まで海に落ちてしまっていた。
ギャグで滑ることのない私が、つい滑ってしまったのだ。
「アカ〜ン!汗」私は瞬時にあるモノを気遣った。『携帯電話』である。
パッとポケットから取り出すと、案の定ビチョビチョ…。
「あちゃーっ!汗」すかさず電源を入れてみるが、当然反応は無い。
過去の苦い思い出が脳裏をよぎる。
前にも一度、同じ状況で車のマスターキーを海に落とし
16000円の大損を食らったことがある。「またやったーっ!泣」

このまま海に飛び込み、知らない島まで流され、フラダンスに囲まれ暮らしたいたい気分だった。
が、しかし息子が見てる…ましてや、みるみる潮が満ちてくる。
このまま手ぶらで帰るほど情けないモノは無い!
と無理矢理にも気を取り直し、無我夢中でワカメ採りを再開した。
「ク、クソ〜ッ!!泣」「ブチ〜ッ!」いつになくメカブを引き抜く手に力が入る。

数分後、ビニール袋いっぱいになり収穫終了。辺りは暗くなっていた...
全身ボトボトになった私は息子の手を取りすぐさま車に乗り込みこう言った
「お母さんに言うなよ」「うん」笑いをこらえた息子が小さくうなずく。

何事もなかったかのように自宅に戻り、
いつものように『生ワカメの刺身』を食べ、ビールを流し込む。
「やっぱ採れたてはウマいなぁ~ハッハッハ」 目は笑っていなかった....

この時期、スーパーで1パック100円ほどで売ってる生ワカメ。
「た、高いワカメになったなぁ〜泣」と複雑な心境でワカメをほおばる。

食後、無反応な携帯を眺めながら一服…。
「電話帳パソコンにバックアップしててよかった〜、明日携帯屋さん行こう」
と思った瞬間、ハッと背筋が凍った。
「しゃ、写真!汗」そうだ、いくつかの携帯の写真はまだバックアップしてないのがある。
それぞ『ナナニ』の写真だ!「やってもたーっ!」

あんなに好きなワカメが一瞬嫌いになりつつ、
潮臭い携帯を今さら乾燥させようと必死になるオッサンがそこにはいた…。

第三章に続く....

『ライフ』
『ライフ』 『ライフ』 『ライフ』