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2013.5.20 『THE・配線』

またまたこの時がやってきた。そう誰もがイヤがる『配線作業』
現在制作中のXSのフルカスタム車両に動脈を植え付けるため、とうとう腰痛持ちの重い腰をあげた。
カスタム工程で切っても切れないのがこの配線作業。
言うならば「配線なくしてカスタム車両できるべからず」というぐらい最も重要なプロセスなのである。
バイク屋さんならずともサンメカもよく口をそろえて言うのが「電気は見えないから嫌い」と、
アナログでカラクリ好きな人間は何とかして避けて通りたい作業と思うのは無理もない。
『見えない』だけでなく一にも二にも『面倒くさい!』のだ。
じゃあなぜ同じ面倒くさいフレーム製作やタンク製作はそんにイヤがらないのか、
答えは簡単で電気は『地味』だからなのだ。
配線だけは車両のディティールやバランス上やっぱり極力見えてほしくないパーツの一つで、できるだけ存在をなくすように工夫する。
結果スッキリ見えなくして存在を消してしまってことで「あんなに頑張ったのに存在薄いな~」ってことになるのだ。
作業も地味なら見た目も地味なのである。
でもこの工程がないと結果バイクは走らない。そう、やっぱり絶対的存在なのだ。

友人の新築の家を訪問した時、誰もが「綺麗な壁紙ね」や「ステキなキッチン」等と間取りや外観に目を奪われるだろう。
そしてそれを総括した大工さんを褒めたたえる。
誰も「電気配線綺麗に隠してえ~仕事しとるな~」なんて言わないよね。
でもその『電気工事』があってこそ人は快適に暮らせるのだ。
私の友人に電気工事士がいる。彼がいつも言うのは「電気なかったら何もできんぞ!」その通りだ。
そんな工程や作業があって初めて物理は成り立ってる。
う~む『電気』って奥が深いよね。

私はこの仕事永くやってるうちに一通りバイクの配線は理解してるつもりだ。
よって雨の日の静かな配線作業は嫌いなようで実は嫌いじゃない。
時々大きな壁にぶつかるが、その苦難がいつか解決し、むくわれた時は快感すらおぼえる。

私は言いたい。
時折素晴らしいカスタム車両や立派な家を眺めるときは
どうか配線の仕上げを真っ先に鑑賞し「うんうん」とうなずいて
配線作業の苦労を少しでも感じ取って欲しいと思う今日この頃であった。
by スタン・ハイセン

『ライフ』
『ライフ』 『ライフ』 『ライフ』