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2013.5.23 『タイヤチェンジャー』 第一章

みなさんは『タイヤチェンジャー』とやらをご存知だろうか。
その名の通りタイヤをチェンジするための機械である。
車の整備工場やデカイバイク屋さんには必ずと言っていいほど必要であり
立派な工場には当然のように置いてある。
しかしそれは場所もとる上、財布も空っぽにしてくれるほどのお値段がする
とても生意気な鉄のかたまり野郎なのだ。
そんな鉄野郎をとうとう当店にも導入する時がきた。
え、まだなかったの?って?…。まぁまぁ。

 この20年、数え切れないほどのタイヤを交換してきた。
小さい原チャリのタイヤからドデカイVマックスのタイヤ…。
そう、それら全てを私の「手」人力でこなしてきたのだ。
じゃあ今さら必要?って思うかもしれないが、
実はずっと前から真っ先に欲くて仕方なかった機械の一つだった。
なぜなら答えは一つ、「楽」だからだ。
特にはビッグバイクのタイヤ交換ほど人力でやる作業の中で精魂尽き果てるものはない。
作業が終わればそこには力石徹と戦いぬいた矢吹ジョーのごとく
『真っ白』になるほど疲れ果てるのだ(ちょいおおげさ)。
交換する度に想いつのらせ年月は過ぎてゆく…。
そうだ、いくつかの障害が今まで買えないでいる理由を生み出していたのだった。
一つはスペースの問題、200数十キロとデカさも重量もあり、かなり場所をとる。
当然前の小さな店舗には置ける余裕がなかった。
そしてもう一つは金額だ。
高いものは60万ぐらいでそこそこでも軽く30万はする。
アストロ工具好きの私には雲の上の価格でもあった。
そんな中、今回の店舗移転によりようやく念願の『スペース』が確保されることになる。
意気揚々とこれを機会に清水の舞台とばかり「よっしゃ!買うぞ!」と決断することにしたのだ。
そんな時、グッドタイミングで私の頭上に神がおりてきた。
今回の移転を機に当従業員となる池ちゃんがおもむろに私にこう言った。
「僕持ってるので使ってください」「な、なんですとっ!!」
こりゃ願ったり叶ったりと引っ越しの時にさっそく運んでいただいた。
見ればなかなかの年期の入った外観…汗。
世間ではそういう状態の物を「ポンコツ」と言うらしい…。
そんなこたぁは関係ない!使えればOKさ!有難う池ちゃん!
と、電源を入れ、興味津々いざ試運転。
「ぷ、ぷしゅ〜」「ん…?どした?」
「はい、壊れてます。」「……。」

その日から230キロの鉄の塊は棚の上の自転車タイヤを取るための踏み台と役割りを変貌させ、
違う意味でのタイヤチェンジャーとなったのだ。
そう、もはや最強に安定感のある脚立に…。
そうこうする中、半年余りが経ちいよいよ当店もビッグバイクの扱う量が格段に増え始める。
当然そんなバイクのタイヤ交換も劇的に増えた。
私は池ちゃんが来て依頼、タイヤ交換の仕事が入れば「これ替えといて」と、正に鶴の一声状態。
私の手をわずらわすことは少なくなり「イケンジャーあるしな」
と修理や購入を見送って過ごしてきた。
うん、鬼である…。
そんなある日、とうとう『タイヤチェンジャー導入』という20年越しの想いを形にする
正に「きっかけ」となるある出来事がおこったのである…。

第二章へと続く

『ライフ』
『ライフ』 『ライフ』 『ライフ』