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2013.5.24 『タイヤチェンジャー』 第二章


第一章からの続き…。

…ある開店直後の朝のことである。
私が用事を兼ねてバイクの試運転をしようと、正に出かけようとしていたその時、
初めて見るお客さんが困った顔で私の方に駆け寄って来た。
「パンクしたんですよ、治せますか」バイクは道路沿いに止められていた。
見るとそのバイクは最新のハーレーだ。
その上スポークホイールのリヤタイヤ側ではないか。
そう問われた後、私のシワの少ない脳みそ君が一瞬でフル回転した。
「こ、こりゃ大変なモンが来たな、でも今から出かけるし、池ちゃんに丸投げしたら何とかなるか…。」
またまた私の「鬼」が現れる。
【死ねばいいね】ボタンがあればかなりの数字はかせいだだろう。
『スポークホイール』=『チューブタイプ』=『外してチューブ出してパンク修理』
というチューブレスタイヤのパンク修理とは雲泥の差ほどの超大変作業。
それこそが茶髪のヤンキーも黙る『チューブタイプパンク修理byゴッツイタイヤ』なのだ。
その上、立派なハーレーのギランとしたホイールときた。
私は時間をもらえるならと引き受けたものの、
聞けば大阪の人でツーリングの帰りだと言う。
「待ちます。笑」「そ、そうですか…。汗」
断る理由も見当たらない中、仕方なくバイクを店内に入れた。
当然、池ちゃんのイカつい顔が青ざめていたのは言うまでもない…。
「池ちゃん、これパンク」「は、はい…。」少し声が震える。
だがさすがは池ちゃん、お客さんには動揺を見せることなく準備し始めた
(私には彼の動揺は痛いほど感じたが。汗)
その時、他のお客さんも何人かいて、私はその対応で出かけるタイミングを失っていた。
ふと見ると池ちゃんの「出て行かないで!!キーッ!」の強烈なまなざしが私の胸を突き刺した。
「……。」
私は覚悟を決め、ここぞとばかり渾身の「元気玉」を出すべく、
手を差し伸べる決意をしたのだ…

第三章へと続く

『ライフ』
『ライフ』 『ライフ』 『ライフ』