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2013.6.19 『趣味』 第二章



第一章からの続き...

そのお兄ちゃんの『趣味』とは...そう、それこそ『バイク』である。

もちろん中学生なので免許やバイクを持っているわけではないが、
「16になったらすぐに免許をとってバイクを買うぜ」
と口癖のように言っていたほどバイクが好きな青年だった。
ちなみに私の口癖は『マッチョメマッチョメ』である。

相対してその頃の私といえば『退院』の二文字しか夢はなく、
相変わらずオナラの出かたの研究ばかりする日々。
遊びにかけては天才級だった私は、絵を描くことやマンガを読むなどの趣味もあり、
それなりにヒマを持て余すこともなく暮らしていたのだが....

そんな日常の中、私の心に新たな風が吹いてきた。

ふと横を見ると、お兄ちゃんの枕元にはいつもバイク雑誌があり、
時間を見つけては本を読んだりバイクのプラモデルを作っている。
対して私は、何に役に立つのかジャッキー・チェンの『酔拳』の形を本気で練習する。
私はいつしかお兄ちゃんの『趣味』に興味が芽生え始め
「お兄ちゃんが好きなら俺も」と、必要以上に興味を示すようになる。
しかしお兄ちゃんは珍しく私を煙たがり「好きでもないのに好きな真似をしてもダメだ」
と、熟年離婚をひかえた夫婦のセリフのように口走り、
私がバイクにのめり込もうとすることを拒むのだ。

確かに言われる通り私は『バイクが好き』というより
『お兄ちゃんのすることが好き』だったのかもしれない。
しかし、教えてくれない嫁の体重のように、イヤと言われれば聞きたくなるのも人のサガ。
私はどうしてもお兄ちゃんに認められたい一心で
「おせ~て、おせ~て」としぶとくせがみ続ける。
あのヤッターマンのドロンジョ様がおねだりするように。

すると、お兄ちゃんはそこまで言うならと、やっと一冊の本を私に貸してくれた。
見ると、それは月刊的なバイク雑誌ではなく、いわゆるバイクの『教本』ではないか。
開いてみると漢字ばっかりで小4にはちとつらそうな内容。
勉強以外で読む本といえば『まことちゃん』か『ブラックジャック』しか知らない私は
「う~む...汗」とすっかり意気消沈。
「まずは基本をこれで勉強しろ」
とお兄ちゃんは「これぐらい知っておかないとバイク好きとは言えない」
と言わんばかりに本を差し出し、私の行動を観察することになるのだ....。

そうしてその日から私の『挑戦』が始まることとなる…

第三章に続く...

『ライフ』
『ライフ』 『ライフ』 『ライフ』